土木工学とは

土木工学の専門分野

土木工学は英語で「Civil Engineering」と言うが,直訳すると市民工学である.人間・社会を自然の脅威から守り,人間の行動・社会活動を円滑化し,かつ,向上させるための諸施設(社会基盤といわれる)を配置・建設する工学である.その時代の文化・政治・経済状況のみならず,将来の発展を適切に考慮した配置を考える必要があろう.

 以上のような観点から,土木工学の専門分野を大きく分類すると

第一は,

台風などの気象現象,洪水・津波などの地球を取り巻く水の諸現象,構造物が基礎を置く大地の諸現象の自然現象を解明し,それらから構造物を守るべき条件,かつ,その中に構造物を作るための条件を探る自然科学分野である.

第二は,

社会基盤を建設する構造分野となる.それぞれの目的に見合った機能性のある構造物を設計・建設するわけであるが,建設される地理的条件,自然条件等を考慮して必要かつ十分な安全性を構造物に与える設計法を確立する努力を行っている.

第三は,

計画の分野である.土木構造物のほとんどは国民の税金によってつくられることも大きな特徴である.人口変動,経済活動を予測し,社会活動の活性化・円滑化をはかるため例えば高速道路や鉄道網の配置を考えるわけである.最近では交通政策や都市政策などソフトによってアメニティに富んだ社会を実現することも重要視されている.

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