土木工学とは
[2]ローマの水道橋
古代ローマを代表する土木事業に水道橋の建設がある.スペイン,フランス,イタリアの多くの地域で水道路は建設され,途中の水路は主として地下を通っていた.これらの水は家事,浴場,噴水,公衆便所,下水溝の洗浄などに利用された.
道路橋と異なり水源から市街地までの総延長と落差,水路の勾配と断面の大きさ,流量を考慮しての水道橋であり,水路の一部としての建設条件が道路橋とは別に加わる.水道橋の勾配と連結する上下流の水路との精度の高い適合性など計測技術と施工技術が必要とされる.当時水道橋の建設を支える土木技術がすでにあった証となる.
スペインのマドリッドから北西90kmにあるセコビア市内にローマの水道橋として有名なセコビア水道橋が高く架かっている.この橋はローマ人によってトラヤヌス帝の時代に建設され,以来2000年が経過している.この水道橋は市街地から約16km離れた水源地から管路,開水路,浄水場がローマの技術者によって建設されているが,写真のような石アーチの水道橋によって,2つの丘を結んで清水を運んでいる.1945年まで水道橋として使用されてきた.
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