文部科学省戦略的拠点育成プログラム:大阪大学FRCプロジェクト バリアフリー・サイクルタウンの構築−千里ニュータウン北地区を対象に− お問い合わせ サイトマップ
line

研究の概要
 
研究の背景と目的
 
  地球環境問題の解決とノーマライゼーションの実現を受け、交通面では、交通機関からの二酸化炭素の排出量の減少とバリアフリー化によるモビリティ確保が世界的な課題となっている。しかしながら、両者は車交通を主体に追及するとトレードオフ関係が生じる。この克服に車に代わる交通手段としての自転車とバスを主体にした新しい交通システム計画論構築の必要性を感じたことが、本研究の方法論に関する発想のもとにある。また、社会貢献の実践の場として、本学が存在する千里ニュータウン北地区を新世紀にふさわしいまちとして再構築したいと考えていた点も発想のもとにある。本研究では、千里ニュータウン北地区を対象に、バリアフリー・サイクルタウンの構築を目指して、「サイクルタウン化研究」「バリアフリータウン化研究」「サステイナビリティ評価方法研究」を3本柱にして研究を進めてきた。本研究の最も大きな方法論上の特徴は、我々が今まで先駆的に研究してきたサイクルタウン化研究とコミュニティバスによるモビリティ確保のあり方に関する研究をサステイナビリティ指標のもとで統合化しようとした点にある。
 
図 研究の柱


研究の柱 画像 



ページトップへ
 


研究の成果
 
  サイクルタウン化研究では、従来の車を交通手段の中心に置いたまちづくりを改め、自転車を中心に置いたまちづくりを目指すものである。サイクルタウンとしてオランダのニュータウン「ハウテン」を参考にしている。ハウテンは、まちの中心部を自転車道が走り、自転車利用が便利なまちになっている。車は外周道路経由でしか入れない。本研究では、このようなまちづくりを構想し、既存の道路を対象にした道路運用変更のための計画・設計論を開発した。具体的には、千里ニュータウン北地区を対象にした道路空間の運用案をいくつか考え、シミュレーションモデルにより評価した。バリアフリータウン化研究では、移動制約者を対象とした交通手段に着目し、コミュニティ交通計画手法を開発した。そのうちコミュニティバス計画に関しては、吹田市で実施予定のコミュニティバスの運用実験を対象に、移送サービスとコミュニティバスとの適正な分担関係を考慮した交通計画手法を開発した。坂道の移動負担軽減に関しては、坂道の勾配に応じた車イスの走行実験により移動負担の程度を把握、勾配に応じた休憩施設の設置方法について提案し、設置の運びとなった。サステイナビリティ評価方法研究では、サイクルタウンやバリアフリータウンの計画案や設計案に対する評価論を、環境、社会、経済の3側面を反映したサステイナビリティ指標の統合により行った。既往の研究からサステイナビリティ評価の代表指標を抽出し、地区レベルに落としたときに重要となる代表指標について考察した。このうち、特に、安全、大気環境、健康、利便に関する指標が重要になるが、これらの定量的な推定方法についての開発を行った。また、サイクルタウン化およびバリアフリー化された千里ニュータウン北地区をサステイナビリティ指標により評価するにあたり、地区住民の交通行動を詳しく表現するために、GISを活用したシミュレーションモデルを開発した。
 

ページトップへ

 

home
研究の概要
報告集
セミナーの記録