大学院工学研究科 地球総合工学専攻
社会基盤工学コース 交通・地域計画学領域

Concept

研究室の沿革と方向性

本領域(研究室)の前身は、構築工学科第6講座(1962年4月新設)に始まる。1966年3月、構築工学科が土木工学科と建築工学科に分離されるに伴い、構築工学科第6講座は土木工学科第3講座に振り替えられた。この振り替え後も引き続き、教授伊藤冨雄がこれを担当し、土・道路・鉄道など、いわばハードな面の研究と教育を行っていた。しかし、1968年4月に土木工学科に第6講座が新設されるに伴い、伊藤はこれに移り、時代の要請に従って、本領域はソフトな問題を対象とし、交通工学に加えて土木計画学、都市および地方計画学の分野も講座内容に取り入れることになった。

1971年4月から1988年3月は毛利正光が教授として本講座を担当した。毛利が担当した時期には、三星昭宏、渡辺千賀恵、田中聖人、新田保次、塚口博司、山田稔の助手、講師とともに、土地利用計画と整合した交通システムの計画と安全で快適な環境形成を目指した都市・地域計画に関する研究が行われた。この時期には、台湾、韓国、エジプトなどの国から、多数の留学生を他大学に先駆けて迎え入れ、学問の国際交流に貢献した。現在彼らはそれぞれの母国で、交通計画,都市計画の分野の第一世代の第一人者として活躍している。

1990年4月から2002年4月は森康男が教授として本講座を担当した。森が担当した時期には、助教授 新田保次、講師 田中聖人、飯田克弘、助手 山田稔、同 松村暢彦とともに、今までの研究の蓄積を踏まえつつ、新たな社会的要請に応える課題について研究を進めた。具体的には、下記のテーマを中心に取り組んだ。

  • 高速道路上での渋滞現象の解明などを目標に、バーチャル・リアリティを応用したドライビング・シミュレータの開発
  • 持続可能な社会を支える交通システムの評価と提案を目標に、ロードプライシングや自転車道整備の経済的な評価手法の開発
  • 高齢者・障害者を考慮した交通システム整備の提案を目標に、バスのサービス条件に応じて変化する利用者層の需要予測
  • 2002年12月に新田が教授に、飯田が助教授に昇任した。
  • 2011年10月に土井が教授に就任した。